キモータランド

現実と虚無

君の名は。


文:クレイジー・ピエロ・裕文


アダ名 nickname

容貌(ようぼう)、挙動、習癖などによる人の特徴に基づいて、実名以外に他人によって名づけられた名称。愛称名もあるが嘲笑(ちょうしょう)名もあり、本人が承認しない例が多い。本人が認めれば人格と不可分のものとなり、通称となる。大きな特徴は通用範囲が限られていることである。

 


アダ名。

誰しも苗字/名前以外で呼ばれたことがあるだろう。

 


全国的な代表のあだ名で言えば、

マッチ(町田)、ウッチー(内田)、サトゥー(佐藤)などはみんなのクラスにもいたのではないだろうか。

 


そんなアダ名について、26年間の人生で印象的だったものについて触れていく。

 

 

 


落飴喰 早男(おちあめくう はやお)

中学のクラスメイト。

下校中に飴が落ちており、「飴だ!」とノータイムで拾って食べたさまから。

 

 

 

 


チョコチパイセン(ちょこちぱいせん)

中学のサッカー部の先輩。

めちゃくちゃヤンキーで後輩から恐れられていた。

ヤンキーだが顔にデカいホクロがあり、それがチョコチップに見えたさまから。


チョコチと呼んでいるのがバレた後輩は立てなくなるまで肩パンされた。

 

 

 

 


純子(じゅんこ)

高校のラグビー部の後輩。

本名はコダマくん。

顧問の知り合いにコダマ純子さんがおり、顧問が「純子!」と呼び始めたものが広まった。


純子は猛勉強の末、飛行機のパイロットになり、世界中の人を安全を届けている。

 

こういうタイプで大成する人いるんだ。

 

 

 

 

メークイーン(めーくいーん)

会社の同期のマドンナ。

会社では海外営業部にて、世界中のクライアントと仕事をしている。名前はメイちゃん。


大学では体育会のマネージャーを務めており、対戦相手校から試合中にも関わらずナンパされる美貌の持ち主。

 


そんな彼女は洋画の「スーサイド・スクワット」の「ハーレイ・クイーン」に憧れていた。

それを知った体育会系の男子部員が「メークイーン」と文字って呼び始めたことから。

 


メイちゃんはノリノリだったが、家に帰って検索すると、メークイーンがジャガイモの品種の一つと知り、男子部員と大喧嘩したらしい。

 

 

 

 


国際連盟(こくさいれんめい)

中学の先輩。

ネパールとのハーフ。ぽっちゃりいじられキャラ

 

当時タカアンドトシが流行っており、お調子者のオガワ先輩がネパール先輩を

「南米か!」

とイジっているところを、学年一怖い英語の先生に見つかり、

 

「これは差別だ、国際問題だ」

と話を大きくし、オガワ先輩は親を召喚された。

 

国際問題、転じて国際連盟というアダ名がなぜかオガワ先輩ではなく、ネパール先輩についた。


しかし、国際連盟という組織はすでになく、国際連合という組織に変わっている。

 


更に、ネパールはアジアだ。

 

 

 

 

 

 

ソース(そーす)

中学のクラスメイトの女子。

学級委員で「ちょっと男子〜!」を素で行くタイプ。

 

あまりにも、可愛くなく、太っており、その姿から男子から「ブルドック」と呼ばれ始めた。


しかし、ブルドックはあまりにもということで、転じてソースと呼ばれるようになった。

 

ソースは吹奏楽部に属しており、吹奏楽部は何故か学年中の可愛い子が集まっており、その中でもソースはかなり浮いていた。


吹奏楽部の発表会が市民ホールであり、可愛い子目当てにクラスメイトと見に行くと可愛い子たちに混じりながら、ソースは端っこでタンバリンを叩いていた。


吹奏楽部にタンバリンってあるの?」

 

とクラスメイトとザワザワしていると、

『アフリカンシンフォニー』という曲の演奏が始まった。

 

曲名にちなみ、吹奏楽部全員が動物のカチューシャをつけ始めた。

 

可愛い子はミッキーやプーさんの耳を付けている中、ソースは舞台裏に耳を忘れてしまったらしく、めちゃくちゃ焦った後、1人だけ涙目で生身でタンバリンを叩き始めた。


あまりにも可哀そうなその姿に、なんとも言えない空気になり、その後男子たちはソース呼びをやめ、〇〇さんと呼んだ。

 

 

 

 


武蔵(むさし)

中学のクラスメイトの男子。

ある日、クラスメイトのイシカワが「兄貴から貰った」と、避妊具(コンドーム)を学校に持ってきた。


田舎の公立中学では、そのへんの教育が遅れており、男子たちで「すげー」「初めて見た」と大騒ぎになった。

 

そして更にお調子者のコンドウがそれを盗んだ。


休み時間が終わり、先生が教室に入り、号令の後、授業が始まって数分後に

 

「イヤー!何これ!」

という女子の声が聞こえた。


その女子とは先述したソースである。

ソースは泣いていた。


先生が「何があった!」と駆け寄ると、ソースの筆箱に避妊具が入っていた。


犯人はコンドウであり、先生は「これは大問題だ」と職員室にイシカワとコンドウを連れて行った。


授業は中断し、男子は

「コンドウやり過ぎだろ…」とソースに同情した。


ソースには吹奏楽部の可愛い子たちが

「ソース(入ってたものが何かは知らないけど)大丈夫?」

と駆け寄って慰めていた。


吹奏楽部の可愛い子たちは可愛い上にこんなに優しいのか、と男子全員が恋に落ち掛けていた。


そこにおませなヤンキー女子が、避妊具の役割を可愛い子たちに説明しはじめた。


すると、可愛い子たちが

「男子ほんとサイテー!」

と流れが変わってしまった。


これはまずい、となった男子全員で協力し、

「そもそもイシカワが持ってきた」

「コンドウのことを俺たちは止めていた」

「許せねぇ…コンドウの野郎!」

「ソース、本当にアイツらがごめんね」

と、イシカワとコンドウに全ての罪を被せた。


可愛い子たちも

「そっか止めてくれたんだね」

「慰めてくれるなんてみんな優しいね」

と、作戦は見事成功した。


反省させるために、コンドウのことを男子たちはコンドームと呼び始め、転じて近藤武蔵、さらに転じて武蔵と呼び始めたさまから。

 

 


後から考えると、この事件の1番のミソはソースが避妊具の役割を理解していたことだ。